抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2008年にエチオピア産コーヒー生豆から基準値を超えるγ-BHCなどの有機塩素系農薬の検出が続き,「モカ」が市場から消える事態となった。これに対し,JETROは東アフリカ・コーヒーの対日輸出のための品質管理強化支援の実施を決め,筆者はその派遣専門家として数回現地を訪問し,調査を行なった。本稿では,調査結果を含め,コーヒーの残留農薬問題について紹介した。1)コーヒーの残留農薬基準,2)コーヒー生豆の違反事例,3)エチオピアでの調査(エチオピアのコーヒー産業,調査での採取サンプル,分析結果,再発防止に向けての提言,調査後の現地の対応)。今回の問題は,生豆そのものの汚染によるものではなく,汚染された麻袋に長時間保管されたことによる流通過程での二次汚染と考えられた。再発防止に向け,農家に農薬取り扱いの基礎的教育を行なう,倉庫や工場の清掃の徹底,指導員の設置,農薬や麻袋の流通管理・監視強化などを提言した。日本のポジティブリスト制度の問題点についても述べた。