抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では水車ランナのクラウン部から切り出して溶接補修材SUS309を用いた溶接試験体について,引張圧縮疲労試験および疲労き裂進展試験を実施して疲労強度特性を解明した。得られた結論は以下の通りである。(1)本供試材の溶接金属部の疲労寿命曲線のばらつきは小さく,母材SCS6よりも溶接補修材SUS309の疲労強度は小さい傾向を示した。(2)高ΔKになる溶接方向と溶接直角方向ともにき裂進展方向には縞模様のようなストライエーションが認められた。Paris則が成り立つき裂進展速度域では,溶接方向によらず同一の速度を示した。さらに低いΔKの領域では溶接方向のき裂進展速度は折れ曲がるのに対して,溶接直角方向はき裂進展抵抗が大きくなる。これは2種類の破面様相が認められたこと,および均結晶粒よりも繰返し有効塑性域寸法が小さくなり,結晶粒界の組織の影響が強く現れたためと考えられる。(3)き裂開口応力拡大係数KopはKmaxが増加するとともに増加し,小規模降伏点を逸脱するよりも小さいKmaxで溶接方向のKopは低下,溶接直角方向ではこの逸脱する付近からKopが低下してKminでき裂が開口してき裂開口比U=1となる。このようなき裂開閉口挙動を考慮したΔKth・effは,溶接方向で2.29MPa・m1/2,溶接直角方向で3.20MPa・m1/2が得られた。(著者抄録)