抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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サプライチェーンが調達リスクを低減するために複数の調達先から原料を調達する分散発注を行う場合,調達コストの低い企業以外からも調達することによる調達コストの増加も考慮する必要がある。本論文では,従来の調達リスクと調達コストを同時に最小化する多目的最適化に関する研究では,調達先が停止した場合の調達計画の変更を考慮していないのでより効果的な分散発注を行うために,調達先停止時の損失低減量を評価するモデルを構築した。具体的には,調達先が停止した場合に停止していない調達先からより多くの原料を追加調達することで損失を低減できる量を,分散発注による調達コストの増分に対して評価することで調達リスク低減効果を明らかにした。実際に単一の製品を販売する需要家が調達先3社から分散発注する場合について,1)初期パラメータ,2)復旧時間の変更,3)融通率の変更,4)在庫量の変更,5)リードタイムの変更における調達リスクの軽減効果を調べた。その結果,普及時間の長期化や融通率の低下が損失の拡大への影響が大きく,コストの増加率が低く,損失の減少率が低い計画での調達率は各調達先の停止確率に大きく依存することがわかり,それらパラメータ値の不確実性を考慮した評価方法が求められることを論じた。