抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,カーボンオニオンをイオン液体に添加することでゲル状物質であるカーボンオニオンゲルが生成されることを見出した。このゲルを摺動面上に塗布した場合の基礎的な潤滑特性を把握し,その後,粘弾性の影響を小さくして潤滑挙動を安定させる目的でカーボンオニオンゲルを液状エポキシ樹脂に添加し,硬化させて得たコーティングの潤滑特性を評価し,真空中でも潤滑特性を発揮する高寿命な摺動コーティングを作製した。これにより得た主な知見を次に示した。1)イオン液体のBMImBF
4にカーボンオニオンを混合,分散することでカーボンオニオンゲルが生成されること,2)カーボンオニオンゲルの熱的安定性はBMImBF
4自体とほぼ同程度であり,BMImBF
4と同様に300°C以下であれば安定であること,3)大気・真空中の22,200°Cでの潤滑特性をボールオンディスク式摩擦試験機により評価し,しゅう動部に塗布した状態での試験の結果,カーボンオニオンゲルは真空中,22および200°CでBMImBF
4単体よりも優れた潤滑特性を示すこと,しかし,粘弾性の高い物質であるカーボンオニオンゲルの潤滑挙動は不安定であること,4)挙動の安定化を図る目的でカーボンオニオンゲルを液状エポキシ樹脂に添加,混合し,これをコーティングとして利用してしゅう動材を作製し,その潤滑特性を評価した結果,潤滑挙動は安定し,高荷重でより優れた潤滑特性を示すこと,5)摩擦係数は大気中で0.07~0.08であるのに対し,真空中では0.05~0.06と潤滑特性が向上すること。