抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヨモギの一次加工(水洗い-ブランチング-水晒し)において,ブランチング条件(A:0.2%重曹水,B:1%食塩水,C:AとBの等量混液)の異なる乾燥粉末を作製し,各種成分の比較を行った。総ポリフェノール含量,抗酸化活性(DPPHラジカル消去,親水性ORAC)およびクロロゲン酸類はB>C>Aとなり,Bでのブランチングにより,それらの流失が顕著に抑制された。一方,親油性ORACでの抗酸化活性は,ブランチング条件に関係なく,ほぼ同じ値(A≧C≧B)となり,脂溶性抗酸化成分は重曹溶液でのブランチングでも流失されにくく,また,クロロゲン酸類はそれらに属さない成分であると推測された。各乾燥粉末を1.6%配合したクッキーを試作し,脂質劣化をプレーンタイプ(対照)と比較した結果,何れも低く抑えられた(POV=A:24.5,B:47.9,C:34.7meq/kg,AV≦1.1,50°C,42日保存時)。しかし,総ポリフェノール含量の高いB,CほどPOVが上昇し,これは総ポリフェノールの50%以上(Bでは80%)を占めたクロロゲン酸類がバターへ溶解せず,劣化抑制に作用しないこと,さらにブランチング時に脂質の酸化促進物質である鉄の流失が少なく,フェオフィチンの生成が多かったことも影響していると推測された。これらの結果より,クッキーの脂質劣化を抑制するのは,ブランチングで流失されにくく,バターへの溶解性に優れた脂溶性成分(ビタミンE,クロロフィル類等)であると考えられた。(著者抄録)