抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,米国著作権法における著作権制限の一般条項であるフェア・ユースに関する裁判例や議論からの示唆を踏まえて,多摩市立図書館複写拒否事件(東京地判平成7年4月28日知的裁集27巻2号269貢,東京高判平成7年11月8日知的裁集27巻4号778頁,最判平成9年1月23日判例体系CD-ROM)を題材とし,図書館における複製(日本著作権法31条)についての検討を行った。教育・研究目的でなされる著作物の複製の外部利益の重要性に鑑みると,31条の制限的運用を示唆する多摩市立図書館複写拒否事件判決の射程は,あくまで複写拒否の違法性が争われた事件であることに着目して限定されるべきであり,より柔軟な範囲で複製を認める31条の解釈が望ましいと考える。また,図書館の複写への補償金制度導入の可否については,市場の成立を理由に著作権侵害を肯定した判決への批判等を踏まえ,慎重な検討が必要となるように思われる。(著者抄録)