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J-GLOBAL ID：201202252630414306   整理番号：12A0394522

キュウリに病害抵抗性を誘導する熱ショック処理方法の改良と処理装置の試作

Improvement of Heat Shock Treatment and Trial Development of Hot Water Sprayer for Inducing Disease Resistance in Cucumber (Cucumis sativus L.)

著者 (7件)： 芳野未央子 (茨城大学農学部附属フィールドサイエンス教育研究センター) ,  アニウィディアストゥティ (東京農工大学連合農学研究科) ,  アニウィディアストゥティ (ガジャ・マダ大学農学部) ,  周松嬰 (茨城大学農学部附属フィールドサイエンス教育研究センター) ,  小谷博光 (茨城大学農学部附属フィールドサイエンス教育研究センター) ,  長谷川守文 (茨城大学農学部) ,  佐藤達雄 (茨城大学農学部附属フィールドサイエンス教育研究センター)
資料名： 園芸学研究  (Horticultural Research (Japan))
巻： 11  号： 1  ページ： 121-126 (J-STAGE)  発行年： 2012年 
JST資料番号： L4829A  ISSN： 1347-2658  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 病害抵抗性誘導を目的とする熱ショック処理の連続・一斉処理が可能な方法の開発を目指して本研究を行った.材料にキュウリ幼苗を用い,より短時間の処理条件を明らかにするとともに,温湯散布装置を試作してその効果を検証した.温湯浸漬処理による灰色かび病接種試験の結果,50°C 20秒の処理は,これまで最適条件とされてきた40°C 120秒の処理と同等の抵抗性誘導効果を示した.そこで,LPガス給湯器を主構成とし,散布ノズルを保温カバーで覆った温湯散布装置を試作し,キュウリ幼苗に葉温が最高50°Cとなるように処理を施した.その結果,本装置を用いた処理により,全身獲得抵抗性のシグナルを伝達する葉中サリチル酸含量は増加し,病害抵抗性関連遺伝子であるペルオキシダーゼ遺伝子の発現レベルが上昇した.灰色かび病接種試験では,抵抗性誘導剤として知られるBITと同程度の抵抗性を示した.以上の結果から,これまでの報告より高温・短時間である50°C 20秒の熱ショックにより,キュウリ幼苗に灰色かび病抵抗性を誘導でき,また温湯散布処理による熱ショックにおいても効果があることが確認されたことから,連続一斉処理技術の開発が可能であると考えられた.(著者抄録)

シソーラス用語： *キュウリ ,  *耐病性 ,  *熱刺激 ,  *温水 ,  農業機械 ,  灰色かび病 ,  *誘導 ,  細胞情報伝達 ,  含有量 ,  オキシダーゼ ,  遺伝子発現 ,  芳香族カルボン酸 ,  フェノール類 ,  ヒドロキシ酸
準シソーラス用語： 散布機 ,  全身抵抗性誘導 ,  病害抵抗性誘導

分類 (3件)： 野菜  (FC03043X) ,  物理的防除一般  (FC05041D) ,  菌類による植物病害  (FC04052Y)

物質索引 (1件)： サリチル酸

引用文献 (17件)：

• Cantwell, M. I., G. Hong and T. V. Suslow. 2001. Heat treatments control extension growth and enhance microbial disinfection of minimally processed green onions. HortScience 36: 732-737.
• Kalendar, R. 2005. FastPCR: PCR primer design, DNA and protein tools, repeats and own database searches program. 〈http://www.biocenter.helsinki.fi/bi/programs/fastpcr.htm〉.
• Lawton, K. A., L. Friedrich, M. Hunt, K. Weymann, T. Delaney, H. Kessmann, T. Staub and J. Ryals. 1996. Benzothiadiazole induces disease resistance in Arabidopsis by activation of the systemic acquired resistance signal transduction pathway. Plant J. 10: 71-82.
• Nakashita, H., K. Yoshioka, M. Yasuda, T. Nitta, Y. Arai, S. Yoshida and I. Yamaguchi. 2002. Probenazole induces systemic acquired resistance in tobacco through salicylic acid accumulation. Physiol. Mol. Plant Pathol. 61: 197-203.
• Narusaka, Y., M. Narusaka, T. Horio and H. Ishii. 1999. Induction of disease resistance in cucumber by acibenzolar-S-methyl and expression of resistance-related genes. Ann. Phytopathol. Soc. Jpn. 65: 116-122.

タイトルに関連する用語 (6件)： キュウリ ,  病害抵抗性 ,  誘導 ,  熱ショック ,  処理方法 ,  試作