抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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異なる緑化タイプの駐車場の熱環境改善効果を比較するため,日向のアスファルト舗装と,日向の芝生地,樹木緑陰下のアスファルト舗装,樹木緑陰下の芝生地において,同時にその地表面温度,黒球温度,気温(地上0.1m,0.5m,1.0m,1.5m),車内気温・車体温度を測定した。その結果,夏季の昼間(9時~19時)に日向のアスファルトと比較した地表面温度の低減効果が最も大きかったのは樹木緑陰下の芝生地で平均約17.9°Cであり,黒球温度の低減効果もまた最も大きく平均約8.8°Cであった。気温(地上0.5m,1.0m,1.5m)の低減効果はいずれの緑化タイプでも認められなかった。車内気温の低減効果は,樹木緑陰下の芝生地と樹木緑陰下のアスファルトにおいて同程度で平均約11.3°Cであった。また,MRT(平均放射温度)の低減効果が最も大きかったのは樹木緑陰下の芝生地で平均約27.4°Cであった。一方,夜間(20時~翌朝4時)に地表面温度の低減効果が最も大きかったのは日向の芝生地で,平均約4.0°Cであった。黒球温度とMRTの低減効果が最も大きかったのは日向の芝生地で,それぞれ平均約1.5°Cと約2.0°Cであった。夜間,気温の低減効果はいずれの緑化タイプでも認められ,効果が最も大きかったのは樹木緑陰下の芝生地で,地上1.5mで平均約1.8°Cであった。昼間に樹木緑陰で体感される涼しさは気温差によるものではなく,放射環境による差異であった。一方,夜間には緑化によって気温の低下が引き起こされており,ヒートアイランド現象の緩和が期待できた。駐車場の熱環境改善のためには,樹木による緑陰形成と芝生化の組み合わせが最も望ましいと言える。(著者抄録)