抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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半導体BaSi<sub>2</sub>は,資源の豊富な元素で構成される半導体である。著者らは,これのBaサイトをSrで置換することで,禁制帯幅を制御できると考え,光学吸収端を太陽電池に相応しい1.4eVにすることに成功した。また,光吸収係数が結晶Siの100倍と非常に大きいことが分かり,従来の太陽電池材料には無い特徴を持っていることを示した。Srも資源の豊富な元素であり,これにより原理的には,厚さ2μmの光吸収層でも変換効率が25%を超える薄膜結晶太陽電池の作製が可能である。しかし,BaSi<sub>2</sub>をデバイスに応用しようという研究はこれまでに報告されていない。本研究は,BaSi<sub>2</sub>pn接合において太陽電池動作を実証することを目標とする。今回,BaSi<sub>2</sub>膜のMBE成長,不純物ドーピングによる伝導型・キャリア密度の制御,SiO<sub>2</sub>基板への<111>配向Si膜の形成と,BaSi<sub>2</sub>膜の分光感度測定,BaSi<sub>2</sub>/Siトンネル接合の形成について,最近の成果を紹介した。今後,Si(111)基板上に,最も単純な構造であるBaSi<sub>2</sub>のpn接合からなる太陽電池を形成し,Siベースの新しい薄膜太陽電池としてのポテンシャルを示すことを目標に研究を推進する。