抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,(1)イノベーションにおける市場的知識と技術知識の関係性と,(2)保持知識と新しい知識の組み合わせが,イノベーションに与える影響を明らかにすることである。知識吸収能力理論(absorptive capacity)では,組織が新たな知識を獲得するには,新しい知識と保持知識とのオーバーラップ(類似性)が必要であるとした。本研究では,イノベーションを企図する企業と獲得を狙う技術知識を持つ企業との間に存在する市場と技術知識に関するオーバーラップに着目した。まず,市場と技術知識のオーバーラップを組み合わせた知識獲得方法のモデルを新たに提示した。次に,モデルに含まれる四つの知識獲得方法が,イノベーションに与えるそれぞれの影響を検証した。検証には,2002-2008年の日本の化学企業のデータと2003-2009年の特許データを使用した。その結果,技術・市場のオーバーラップが高い技術知識獲得方法と,技術のオーバーラップは高いが市場のオーバーラップが低い技術知識獲得方法は,イノベーションを促進することが明らかとなった。一方で,市場のオーバーラップは高いが,技術知識のオーバーラップが低い技術知識獲得方法は,イノベーションを損なうことも明らかとなった。(著者抄録)