抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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風景は,社会背景によって「制度化」された規範として生成し,人々の風景観が国土保全に規範的役割を果たしてきたと指摘されていることから,自然海岸の減少や海浜地の無秩序な利用による荒廃が指摘されている現在,海岸に対して抱く風景観として「心象風景」を把握することは重要である。そこで,本研究は,広く海岸に対して抱くイメージを心象風景として,どのように海岸空間を認識しているのか,その構図や構成要素といった心象風景の形象を描画法から把握することを目的とし,さらに居住経験や体験時期などの個人背景と心象風景との関連や,メディアの影響などについて考察した。その結果,海蝕崖が白砂青松に代表される砂浜海岸に比べて多いにも係らず,海蝕崖を描画した回答者は少なく,砂浜海岸が海岸風景の規範として深く浸透していることがわかった。また,構成要素に関する情報は少なく,海岸の利用経験や海岸植物に対する知識も少ない。これは森林を対象とした研究と比較すると,その構成要素や構図は多様性に乏しいことがわかった。特に後背地に関する情報は描画されておらず,構成要素としても抽出されていないことがわかった。