文献

J-GLOBAL ID：201202265433180055   整理番号：12A0524302

〈解説〉XIV.接着の物理(5)接着接合とクリープ

著者 (1件)： 佐藤千明 (東京工大 精密工研)
資料名： 日本接着学会誌  (Journal of the Adhesion Society of Japan)
巻： 48  号： 3  ページ： 109-114  発行年： 2012年03月01日 
JST資料番号： G0749A  ISSN： 0916-4812  CODEN： NSEGE7  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 接着接合部の強度にもたらすクリープ現象の影響は極めて大きい。本稿では,接着接合部のクリープ変形および破壊について,主に力学の観点から俯瞰し,従来の研究結果及び最近の研究トレンドについて紹介した。クリープと粘弾性の関係,クリープの発生メカニズム,及び粘弾性現象の数学的取扱いについて説明した。接着剤のクリープ変形が継手内の応力分布に及ぼす影響,接着接合部のクリープ強度,クリープ現象と破壊について解説した。接合後しばらくしてから接合部が破断するケースは多く,この原因はクリープ,吸水劣化,もしくは被接着体の腐食にあると考えられるが,中でもクリープの割合は大きいと推定される。しかし,接合部のクリープ破断を予測する手法は,数値解析を用いたシミュレーションも含め,確立されていない。一方,材料開発に役立つクリープ関連の知識も不足している。まずは,材料組成とクリープ特性とを関連付けるデータベースを構築するとともに,高分子のクリープ現象に関する基礎研究を実施することが現在の課題であると論じた。

シソーラス用語： *接着 ,  *クリープ ,  粘弾性 ,  応力分布 ,  数値解析 ,  コンプライアンス
準シソーラス用語： クリープコンプライアンス ,  発生メカニズム

分類 (2件)： クリープ一般  (HC06010O) ,  接着剤の性質・試験  (YK02000Q)

引用文献 (24件)：

• 深堀美英. 高分子の力学. 2000, 48
• 村上謙吉. レオロジー基礎論. 1991, 26
• 日本機械学会編. 固体力学. 1987, 103
• DELALE, F. J. Comp. Mat. 1981, 5, 561
• DELALE, F. J. Appl. Mech. 1981, 48, 331

タイトルに関連する用語 (3件)： 物理 ,  接着接合 ,  クリープ