文献

J-GLOBAL ID：201202265976405197   整理番号：12A0394654

ウルシオールの高温硬化による塗膜形成

Paint Film Forming by Hardening of Urushiol at High Temperature

著者 (3件)： 小川俊夫 (金沢工業大学大学院工学研究科バイオ・化学専攻) ,  沖野英二郎 (金沢工業大学大学院工学研究科バイオ・化学専攻) ,  大藪又茂 (金沢工業大学大学院工学研究科バイオ・化学専攻)
資料名： 高分子論文集  (Japanese Journal of Polymer Science and Technology)
巻： 69  号： 2  ページ： 71-76 (J-STAGE)  発行年： 2012年 
JST資料番号： G0122A  ISSN： 0386-2186  CODEN： KBRBA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 漆はさまざまな優れた物性をもつため,昔から日本各地で使われてきた.しかしながら,漆の硬化は通常酵素に関係しているため長時間を要し,用途が限定されている.そこで,漆の主成分であるウルシオールについて基礎的観点から高温における速い硬化反応を検討した.ウルシオールの硬化反応は 100~200°C の温度範囲で空気および窒素雰囲気下で行った.次に反応機構を理解するためにスチレンとウルシオールについて高温で粘度の時間依存性を調べた.硬化速度や粘度は温度の上昇とともに増加したが,ウルシオールの粘度上昇は窒素雰囲気よりも空気雰囲気下で著しかった.また,硬化速度も粘度と同様に窒素雰囲気よりも空気雰囲気下において速かった.さらに,膜の酸化も空気雰囲気下での硬化でより著しかった.ところが,スチレンの粘度は雰囲気の影響はなく,ウルシオールはスチレンのような純粋なラジカル重合だけで硬化しているのではないことを示した.(著者抄録)

シソーラス用語： *多価フェノール ,  *漆 ,  *架橋【高分子】 ,  *塗膜 ,  *反応機構 ,  ラジカル反応 ,  ラジカル重合 ,  ジフェノールオキシドレダクターゼ ,  表面分析 ,  回転粘度計 ,  X線光電子分光法 ,  酵素反応 ,  *硬化 ,  高分子反応 ,  ATR分光法 ,  FTIR分光法 ,  芳香族炭化水素 ,  ビニル化合物
準シソーラス用語： ATR-FTIR ,  ウルシオールオキシダーゼ ,  *硬化【高分子】 ,  硬化時間

分類 (3件)： 高分子の反応一般  (CG03001G) ,  重合反応一般  (CG04010H) ,  塗料の性質  (YJ03020Q)

物質索引 (3件)： ウルシオールI ,  ウルシオール ,  スチレン

引用文献 (18件)：

• 1) T. Ogawa, H. Jinnai, and S. Osawa, Kobunshi Ronbunshu, 59, 127 (2002).
• 2) 渡部 修, 長井勝利, 日本化学会誌, 2000, 211 (2000).
• 3) 永瀬喜助, 神谷幸男, 穂積賢吾, 宮腰哲雄, 日本化学会誌, 2002, 377 (2002).
• 4) 須藤靖典, 出羽重遠, 工業塗装, 196, 75 (2005).
• 5) J. Xia, Y. Xu, J. Lin, and B. Hu, Prog. Org. Coat., 61, 7 (2008).

タイトルに関連する用語 (3件)： ウルシ ,  硬化 ,  塗膜形成