抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,特に民家の保存状態の良い吉林省長白山麓の錦江(ジンジャン)村を調査対象地とし,体系的な調査研究のなされてこなかった井幹式の建築構法と生産技術を明らかにする。さらにその構法特性と成立要因について,気候条件,森林資源,社会・経済的背景との関連により考察した。長白山麓において井幹式民家が成立し,現在まで維持されてきた要因として,以下のように考えることができる。1)寒冷な気候への対応では,主屋の壁構法は断熱性のある丸太を積む井幹式とし,隙間に土を塗り込めることで気密性を高めている。2)森林資源の利用法として,カラマツ,チョウセンゴヨウマツ,エゾマツなどの針葉樹の通直材が建材として用いられている。3)木材の伐採,製材から施工,維持管理までの作業は基本的に住民の相互扶助により行なわれる。以上のような,自然的,社会的背景と要因によって長白山麓では井幹式民家と構法が成立し,現在でも継承されていると考えられる。