抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ソーシャルメディアでは本人到達性及びリンク可能性がある状態で実名を秘匿すればプライバシーが守れると過信されがちであるが,その匿名性は実名の表示の有無に限らない。本論文では,実名・仮名・匿名といった利用者同士での名乗りとサービス利用におけるIDのレイヤ構造を示し,アイデンティティの取扱いには複数の層があって用途に応じて使い分けられていることを説明した。次に,公表先及びリンク可能性による仮名の分類を示し,利用者はそれらを使い分けることで自らの情報の公開・非公開を選択していることを述べた。一方,モバイル端末からの利用によって意図せずに実空間の情報が提供されたり,Twitter上での投稿のプロットから実空間における私生活を推測できる。また,自分に関する情報はBlogなどでの言及や写真のアップロード,写真に対するタグ付けに伴って他者によっても発信され,友人が公開するプロフィールから自分が誰かを推測される場合もある。さらに,仮名を名乗ることやリンク可能性によってなりすましが生じており,サービスの利用目的に応じて本人の真正性の保証レベルが異なるのでプライバシーや実名の再定義が求められることを論じた。