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J-GLOBAL ID：201202279693783161   整理番号：12A0684215

本州の同時期のヒト集団と比較した,沖縄島の先史および初期近代居住者の顔面特徴の比較

Facial characteristics of the prehistoric and early-modern inhabitants of the Okinawa islands in comparison to the contemporary people of Honshu

著者 (6件)： FUKASE Hitoshi (Dep. of Human Biology and Anatomy, Fac. of Medicine, Univ. of the Ryukyus, Nishihara) ,  WAKEBE Tetsuaki (Dep. of Developmental and Reconstructive Medicine, Course of Medical and Dental Sciences, Graduate School of ...) ,  TSURUMOTO Toshiyuki (Dep. of Developmental and Reconstructive Medicine, Course of Medical and Dental Sciences, Graduate School of ...) ,  SAIKI Kazunobu (Dep. of Developmental and Reconstructive Medicine, Course of Medical and Dental Sciences, Graduate School of ...) ,  FUJITA Masaki (Okinawa Prefectural Museum and Art Museum, Naha) ,  ISHIDA Hajime (Dep. of Human Biology and Anatomy, Fac. of Medicine, Univ. of the Ryukyus, Nishihara)
資料名： Anthropological Science  (Anthropological Science)
巻： 120  号： 1  ページ： 23-32 (J-STAGE)  発行年： 2012年 
JST資料番号： G0957A  ISSN： 0918-7960  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 沖縄島の近代居住者は,日本本土(本州)に居住するヒトと比較した場合,先史縄文人およびアイヌ先住民と系統的に密接な関係を示すと考えられている。しかし過去の数例の研究では初期近代沖縄人と本州縄文人の間で識別可能ないくつかの形態学的顔面的特徴が明らかになっている。本研究では,縄文人-沖縄人の関係をさらに評価するため,沖縄島および本州産の縄文時代および初期近代の骨格サンプル間の顔面形態を比較した。比較した結果,沖縄縄文人は本州縄文人と比較して眼窩間が平坦であったが,ほとんどの測定値は2つの縄文人群間で大きな差を示さなかった。これにより,縄文文化と,基本的な顔面特徴とを共有するヒトは沖縄島を含めほぼ日本列島全体に居住していたことが示唆された。また,結果から,初期近代本州日本人と比較し,初期近代沖縄人は横方向に広くて眼窩間が平坦な,有意に低く,幅広い顔面であることが示された。初期近代沖縄人のこのような顔面特徴は沖縄縄文人の特徴と質的に一致する。しかし沖縄縄文人と比較した場合,初期近代沖縄人は絶対的に細長く/幅の狭い顔面であり,鼻根部がさらに平たいことが示された。過去の多くの研究により示唆された通り,これは有史時代に周辺地域からの一定量の人口流入により部分的に生じた可能性がある。にも関わらず,本研究で得られた結果からは,近代沖縄人は日本列島の同じ最南端の島に生存していた縄文人の顔面形態を含む身体的特徴を比較的維持していることが示唆される。近代日本人表現型の地域的変化は,縄文時代末期に発生した祖先縄文人のこれらの特徴により部分的に説明できるであろう。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *人間 ,  *沖縄県 ,  島 ,  *顔 ,  民族 ,  骨格 ,  成人
準シソーラス用語： *縄文人 ,  *沖縄島 ,  日本人 ,  近代人

分類 (1件)： 人類学  (EA01070K)

引用文献 (68件)：

• Asato S. (1996) Population history of modern Ryukyuans as viewed from archaeology. Journal of Geography, 105: 364–371.
• Asato S. and Doi N. (1999) Where Did the Okinawan People Come From? Borderink, Okinawa (in Japanese).
• Baba H. (1991) Osteometry. In: Eto M. (ed.), Anthropology, Supplement 1. Yuzankaku, Tokyo (in Japanese).
• Brace C.L., Brace M.L., and Leonard W.R. (1989) Reflections on the face of Japan: a multivariate craniofacial and odontometric perspective. American Journal of Physical Anthropology, 78: 93–113.
• Dodo Y. (1982) A metrical analysis of Jomon crania from the Tohoku district. Journal of the Anthropological Society of Nippon (Supplement), 90: 119–128 (in Japanese with English abstract).

タイトルに関連する用語 (8件)： 本州 ,  ヒト ,  集団 ,  沖縄 ,  初期 ,  近代 ,  居住者 ,  顔面