抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
放電加工の材料除去メカニズムとして「せん断流れ説」,「気泡衝突説」,「突沸説」があるが,著者らは「キャビテーション説」を示した。透明アクリル板に鋼線を差し込み,アクリル板下から超高速ビデオカメラで放電現象を撮影した。気泡は放電直後から膨張し始め,放電終了後も膨張後,いくらか収縮しその場にとどまる。加工くず発生は,放電持続中あるいは放電終了後も放電持続時間程度までである。加工くずは気泡膨張に遅れて発生し,膨張が停止した気泡と液面界面に突入して停止する。最大反力は放電持続時間のかなり早い時点で発生し,この時点で気泡直径は約1mmである。気泡内は一定圧力と仮定すると放電初期の放電点圧力は極めて高く,最大反力を示す時点ではすでに低下していると推定できる。加工液は放電点の圧力を一定時間高圧に保つ働きをし,その後の圧力低下による溶融材料内部での沸騰により溶融材料を吹き飛ばすとするのが,キャビテーション説である。イオン交換水を用いて,直径8μmの炭素繊維が一方向に配向している板厚2.8μmのCFRPに単パルス放電した。放電痕外周などにも除去された炭素繊維や樹脂の付着は見られず,放電痕内部,直径60μmの領域では繊維が稠密に凝集し,繊維断面が滑らかな様子が,また,外周部,直径60~110μmの領域では樹脂のみが除去され,繊維間に隙間が生じている領域が観察された。