抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リカードは資本蓄積が生産や雇用の拡大をもたらし,経済が最終的にどのような状態に至るかを体系的理論として提示した。リカードの資本蓄積モデルの骨子を,L.Pasinetti等の定式化を参考にモデル化した。農業部門のみからなる一部門モデルでリカードの動学体系を素描した後,製造部門も考慮した二部門モデルを取上げた(Say法則,賃金基金説,人口法則,差額地代,剰余利潤,システムの振舞いなど)。蓄積モデルは主体の行動方程式を可能な限り前提とせず,経済システムの客観的な運動法則を追及した。利潤率のより高い部門に資本を移動させるという唯一の仮定は,主体の行動原理というより資本固有の運動原理である。資本固有の運動と自然的要因(土地生産力の低下)の交錯するところに経済成長の限界を見出す点で,資本主義の客観的運動法則というべき性格を有する。地球規模の市場経済において資本蓄積が進むと,自然は経済にとってどんな意味を持つか。リカードの理論は示唆に富む。