抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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理数系教員志望の大学生を対象に,宏観異常現象と超常現象及び血波型占いについての意識調査を実施した。宏観異常現象とは,人の感覚で認識できる地震前の異常現象のことである。地震の前にカラスや犬猫などの動物が騒いだり,井戸の水が濁ったり,地鳴りがするなど,人の感覚で認識できる異常現象をさす。一方,超常現象とは,透視能力や予知能力などの超能力,未確認飛行物体,霊能力や心霊現象,ABO型による血液型占いなどがある。今回,東京学芸大学の理数系教員志望の学生83名を対象にアンケート調査を行った。その結果,地震前の動物異常行動を少なからず信じる割合は,8割を超えていた。これほどまでに高い割合で信じられる理由として,動物は人間にはない感覚を持っており,それによって地震を予知するといった意識が大きい可能性が明らかとなった。血液型占いを肯定的に考えている学生が4人に1人以上いたことや,宏観異常現象や超常現象,血波型占いなどを信じる理由として,テレビなどからの伝聞をあげていたこと,さらに,否定する理由として,体験していないことをあげていたことなどは,いずれも科学リテラシーの欠如に因るところが大きいと考えられる。今回の調査対象は大学1年生で,大学での教育が約1年経過した理数系教員志望の大学生であっても,このような現状が明らかになったことから,学校教育における科学リテラシー教育の充実以前に,教える側の教員に対しても,教員養成課程における科学リテラシー教育の在り方を検討すべきであると考える。