抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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山岳域では山腹が急傾斜であることから,ドライラベルやソイルクリープなど土粒子そのものに作用する重力に起因する土砂移動現象がみられる。これらは地表流の発生によって引き起こされる表面侵食とは土砂移動メカニズムが異なっており,表土の貧弱化や立木の損傷などを引き起こすため,山岳域で林業を行う場合はその抑制が大きな課題となっている。そこで本研究では,赤石山脈南部の急傾斜人工林内において間伐材を利用した丸太柵工を設置し,そこでの土砂移動特性と柵工のもつ土砂移動抑制効果について調べた。現地観測の結果,調査地では凍結融解現象が頻発する冬季においてドライラベル,ソイルクリープによるとみられる活発な土砂移動が確認された。斜面上方からの土砂生産の影響が少ない地点においては,柵工設置からの経過時間とともに土砂移動量が減少する傾向がみられ,柵工の設置により斜面の安定化がなされることが示された。柵工により斜面の安定化が保たれるエリアは安息角と斜面の傾斜に依存するため,それを踏まえた柵工の配置が必要であると考えられる。(著者抄録)