抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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価値ある文化財の1つとして,紙材料は博物館や図書館に保存されている。しかしながら,従来法で使用されている溶媒,水は湿式及び乾式処理の間に生じる変形のために,紙を駄目にする危険がある。本研究では,臨界点以上の圧力と温度で流体である超臨界二酸化炭素(scCO
2)を溶媒として用いた。scCO
2は表面張力が著しく低いために,親水性材料上に吸着しない物質を伴ってミクロ及びナノスペースに膨潤させずに侵入することができる。それ故scCO
2の使用は酸性紙を損傷することなく中和することが期待される。本実験では,印刷していない硫酸紙を多層に重ね,3種の有機塩基,即ち従来法で使用されるモノエタノールアミン,トリエタノールアミンとscCO
2に比較的に溶解するトリエチルアミンでバッチ処理した。1時間の処理後,紙のpHは5.5から7.0~7.5に増加し,メタノールを含むscCO
2中の全ての塩基による紙の脱酸を示唆した。scCO
2/メタノール中のトリエチルアミンで処理された酸性紙は,エタノールアミン又は蒸気及び液相法よりも黄変無しにより速く中和された。さらに,紙の引張強さは,scCO
2中の塩基処理により対して影響されなかった。酸性紙中に含浸したトリエチルアミンのバッファ効果は,6ケ月以上持続した。さらに,酸性紙50枚は,トリエチルアミンを使用したscCO
2法により,均一に中和された。