抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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北海道石狩平野の石狩市親船地区において,沖積層の層序と堆積環境を検討した。ボーリングコアGS-HIS-1の掘削地点は現在の海岸平野に位置し,最終氷期の古石狩川の谷筋にあたる。堆積相,珪藻化石並びに貝化石から,沖積層は下位より礫質河川堆積物(ユニット2,深度68.5-56.1m),蛇行河川~河川の感潮域及び塩水湿地の堆積物(ユニット3,深度56.1-24.0m),内湾の堆積物(ユニット4,深度24.0-20.6m),外浜~海浜の堆積物(ユニット6,深度20.6-11.0m及びユニット8,深度7.7-0.4m)とそれに挟在する淡水成の泥質堆積物(ユニット7,深度11.0-7.7m)からなると解釈された。沖積層の下位には上部更新統の氾濫原堆積物(ユニット1)が確認された。より内陸部において,内湾堆積物の上位に見られるデルタプレーンの堆積物(川上ほか,2012a;bのユニット5)は親船地区では認められず,ユニット4とユニット6の間の侵食性の境界は海進ラビンメント面と考えられる。ラビンメント面を覆うユニット6~ユニット8は,縄文海進高頂期以降に海側に成長した浅海の砂体である。この砂体に挟在する淡水成の泥質堆積物(ユニット7)は,海岸線に平行に偏向するラグーン状の河道に堆積し,砂体の海側への急速な成長に伴って埋積・保存されたと推定される。堆積曲線によれば,海進に伴い礫質河川から蛇行河川環境へ転換するのは13,000cal BP頃,河川が海水の影響を受け始めるのが10,600cal BP頃,内湾環境に転換するのは8,900calBP頃である。また下部外浜の砂層が海進ラビンメント面を介して内湾泥層を覆いはじめたのは5,300cal BP頃である。(著者抄録)