抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,外来魚問題について概説した。2005年に外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)が施行され,オオクチバス,コクチバス,ブルーギル,チャネルキャットフィッシュなど,特に影響の大きな外来魚(侵略的外来魚)が特定外来生物に指定された。しかし,約7年経過した現在,外来生物法の限界が明らかになりつつある。最も大きな問題は,分布を拡大した特定外来魚の駆除については保証していないことにある。また,外来生物法施行後の違反事例も生じている。分布拡大を止めるためには,外来魚が未侵入の水域では定期的なモニタリングによる侵入の早期発見が必要である。さらに,上流から下流へと外来魚が流出し分布を拡大させている現状では,上流の生息地から順に根絶していく手順が推奨される。侵略的外来魚の拡散を抑制するためには,現状の外来生物法だけでは不十分であり,一歩踏み込んだ政策と様々な補助事業が検討されるべきである。