抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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調査概要(詳細は1章):日本企業の文系大卒者を採用する際の基準を把握すること,および企業特性(企業の文化・風土)と採用基準の関係を把握することを目的として,2011年3月~2012年12月にかけてアンケート調査が行われた。上場企業392社(回収率12.4%)から回答が得られた。392社の業種は多岐にわたったが4割がメーカーであった。回答者は平均年齢36.3歳,勤続年数11.4年で,人事総務部門所属の者が95%以上を占めた。企業の文系新卒学生の採用基準(詳細は2章):採用基準,とりわけ求める人物特性に関する43社分の公表された文書,および本調査のために独自に調査を行った16社22名の人事責任者への聞き取りに基づいてまとめられた40の新卒採用基準について,個々の重要度を尋ね,因子分析により7基準へ集約した。40の基準のうち5点中平均4点以上と評価された基準は上から,1位:自律性(4.25),2位:やり抜く力(4.18),3位:チャレンジ精神(4.15),4位:能動性(4.13),5位:誠実さ(4.10),6位:明るさ(4.09),7位:向上心(4.09),8位:タフネス(4.05)であった。集約された7つの基準は「積極的主体性」,「モチベーション」,「コミュニケーション能力」,「リーダーシップ」,「チームワークの力」,「実践的創造力」および「外見の印象」であり,上位からこの順番で重視されていた。ただし外見印象のみ他の基準よりも大きな隔たりがあり,重要度が低かった。企業文化・風土と採用基準の関係(詳細は3章・4章):企業の価値観や特徴を意味する企業文化に基づいて回答企業が三種類に類型化された。日本的堅実型企業,日本的革新型企業,および結果主義的機械型企業である(詳細は3章)。各企業タイプによって7つの採用基準の重要度の順番はほぼ同じであり,それは全体の重要度の順番と同様であった。ただし,日本的革新型の企業群は同じ採用基準であって他の二類型の企業群よりも絶対値で重要度を高く評価しており,逆に結果主義的機械型はいずれの採用基準についても相対的に低い値を示していた。つまり,日本的革新型企業群が求める人物特性は他の類型の企業群が求める水準よりも高いものであった。(著者抄録)