抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,底生生物群集の食物関係を明らかにする目的で,ネズミヒゲ(Caelorinchus anatirostris)の食性について調べた。長崎南西方大陸斜面域の水深500m海域で採集したサイズの異なるネズミヒゲ226個体について,胃内容物中の餌生物の分類と個体数の計数を行った。その結果,本種の胃から確認された餌生物は,線虫類,多毛類,貝形虫類,カイアシ類,アミ類,クーマ類,タナイス類,端脚類,オキアミ類,エビ類,及び魚類であった。このうち,多毛類,カイアシ類,アミ類,クーマ類,及び端脚類はネズミヒゲの成長段階に関係なく餌生物として利用されていた。カイアシ類は小型のネズミヒゲにとっては重要な餌生物であることが示唆された。一方,大型のネズミヒゲでは魚類が他のどの餌生物よりも重要なものとなっていた。小型個体と大型個体が異なる餌生物を利用することで,種内競合が軽減されているものと推察された。