抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本最初の電力会社である東京電灯が1883年に創立された。それ以来,129年の間に,日本の電力産業は消費者部門でも産業部門でも日本経済の発展に大きく寄与した。本稿では,第二次大戦以前の日本の電力産業の発展過程を概説するとともに,1883年から,1939年の国家管理に至るまでの過程を解明することを目的とした。電力産業の発展は,自主的な経営マネジメントのダイナミズムにより駆動されているので,電力会社のマネジメントの自主的側面の解析に焦点をあてた。この期間は民間主導体制の時代であった。1)電力産業の創始と電灯会社の時代(1883-1906),2)水力開発と競争の時代(1907-1931),3)自主統制の時代(1932年-1939年3月)の3つの時代に分けて概観した。1)では,電力会社の創始と電力市場の創出,火力中心と社内消費のための発電およびダイナミズムの出現について,2)では,競争の始まりと電力市場の急成長,大規模水力発電と遠距離送電および競争本格化による電力戦について,3)では,競争の停止と市場の変革,水火併用と地域的供給の進行および協調と自主統制についてその過程を解説した。最後に,1938年に電力の国家管理法案が制定された後の状況について概説した。