抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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低温下における岩石の熱拡散率についての報告は少ない。本研究では,加熱条件に制約がなく,簡単な加熱法と試料内部の温度計測データから熱拡散率を得られるという特徴を有する岩石の熱拡散率の非定常測定法の1つである任意加熱法を用いて,凍結状態にある湿潤岩石の熱拡散率の測定を試み,その有用性を検証した。次に,岩石の熱拡散率に及ぼす冷却の影響について検討した。最後に,間隙水の凍結が湿潤岩石の熱拡散率に及ぼす影響についてシミュレーションを行い検討した。なお,本研究の供試岩石は,萩野凝灰岩,来待砂岩,姫神花崗岩の3岩種である。検討の結果,1)任意加熱法を用いることで概ね±5%の不確かさで計測可能であることがわかった。2)湿潤岩石の熱拡散率は凝灰岩1.4倍,砂岩1.5倍,花崗岩1.3倍に増加することが明らかになった。3)常温から低温に岩石を冷却した結果,乾燥状態では凝灰岩,砂岩,花崗岩ともに冷却による熱拡散率の増減は見られなかった,などが判明した。