抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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広島県尾道市浦崎地区のイチジク圃場(14圃場)において,キクイムシが関与した本病の拡大と土壌の病原菌汚染の推移を調査した。2006年の初発以降,地域内におけるキクイムシの加害圃場率および本病による枯死樹発生圃場率が徐々に増加し,2010年には64.2%および21.4%にそれぞれ達した。圃場内の加害樹率および枯死樹率はキクイムシの加害初発から増加し,3年から4年後には,最大で87.8%および45.2%にそれぞれ達していた。キクイムシに加害された全ての樹では加害履歴に関係なく,木部から病原菌が検出された。また,キクイムシに加害されたイチジク樹の株元周辺土壌では,病原菌が検出される確率が高かった。一方,キクイムシが加害していない樹の木部や株元周辺土壌からは病原菌が検出されなかった。別の室内実験により,広島県のキクイムシ個体群は病原菌を保持しており,キクイムシの孔道由来のフラスから病原菌が検出されることが示された。これらの結果から,キクイムシが介在する場合,本病が激害化することが本研究で示された。今後は,各イチジク産地において本病の侵入経路をキクイムシに注目して確認するとともに,キクイムシの駆除を目的とした防除技術の開発が必要である。(著者抄録)