抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
花の色は多種多様であり,昔からその美しさで多くの人々を魅了してきた。また,バイオテクノロジーの進歩した現代では,これまで不可能とされてきた花の色をもつ植物の開発もされてきており,「青いバラ」はその好例である。花の色素は,1)黄色~青までの多くの色を出すフラボノイド(アサガオ,カーネーションなど),2)黄色からオレンジ色のカロテノイド(黄色のキクやバラ,ニンジンなど),3)黄色や赤~紫色の一部に見られるベタレイン(ツルムラサキ,ホウレンソウなど),4)緑色のクロロフィルの4種類に分けられる(図1)。これらの色素の中で,フラボノイドの一種であるアントシアニンは,オレンジ色~青色までの幅広い花色を作り出すことができ,最も多くの花の色素として知られており,その生合成経路はほぼ解明されている(図2)。しかしながら,単純にアントシアニンを変化させただけでは花の色は思い通りに変化せず,他のファクターも花の(見た目の)色に関与していることが分かってきている。本発表では,アントシアニンを主な色素とする芳香シクラメンと花色変異体を用いたこれまでの分子生物学レベルでの研究成果を踏まえ,今後の花色研究について考察する。(著者抄録)