抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
数値シミュレーションで必要な精度の解を得るには計算の精度を制御しつつ,高精度計算を高速に行う必要があり,エラーフリー変換はそうした適応的な高精度計算に適する。本論文では,適応的でどんな計算機環境でも高精度計算できるエラーフリー変換の原理を解説した。まず,数値保証付き数値計算において重要な役割を果たす区間演算を丸めのモードの変更ではなく,エラーフリー変換を用いて最近点の丸めのモードだけで定義できることを説明した。コンピュータやOS(Operating System)によって実装が異なったり,非実装である丸めのモードの変更によらないで区間演算が円滑に定義でき,浮動小数点ベクトルの総和を多倍長演算を用いずにK倍の浮動小数点演算で求められる。また,内積計算は総和の計算問題として帰着できるので,K倍の内部精度で計算したことに相当する利点を論じた。実際にA∈R
n×n,b∈R
nのとき連立一次方程式Ax=bを残差反復法で解く場合にエラーフリー変換を応用した。LU分解での数値解の計算にO(2/3n
2)flopsかかるのに対し,その1.5倍の精度で仮数部のほぼ最終桁まで正しい解を求め,精度保証まで可能になることを示した。