抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「中小都市における公共図書館の運営(中小レポート)」(日本図書館協会,1963)が当時の公共図書館に与えた影響と,その内容に対する現在に至るまでの評価について論じた。中小レポートは,「中小都市」の公共図書館の新しい在り方を提起し,戦後公共図書館の発展の起点になり,まず大都市近郊都市において受容され広がっていった。公共図書館の基本的な役割などの内容上の特質を6項目に整理した。中小レポートは,新たな図書館像を描こうとしたために図書館変革の手引書となった。中小レポートへの評価と批判,図書館現場での「業務改善」の指針としての中小レポート,「小さな町や村」の図書館における中小レポートへの距離感について述べた。中小レポートの基本的な正しさが実証された日野市立図書館の実践,その実践を通した修正が加えたれより実践性と戦略性を備えた「市民の図書館」(1970)への継承発展した内容について述べた。図書館の公共性や存在意義が問われる中で,「知る権利」の保障と「奉仕」を軸に,新たな公共図書館像を描き,図書館サービスと運営の在り方を提起する必要に直面している。そうした中で,再三再四中小レポートに立ち返り,学ぶことの意義は大きい。