抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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二人完全情報ゲームの中でもそれぞれ10
200,10
300の探索空間を持つ将棋や囲碁において,人工知能が人間トップに勝つ日が近づいている。本論文では,ゲーム情報学で用いられている計算科学でなじみ深い手法について解説した。まず,分子シミュレーションで用いられるモンテカルロ法を取り上げ,コンピュータ囲碁において地を効率的に予測するために利用されていることを説明した。次に,エネルギー最小化問題や反応動力学制御などで理論的枠組みの基礎をなす,最適化問題のゲーム木探索への応用について述べた。将棋プログラムBonanzaでは化学反応制御研究で学んだ知識に基づき,状態遷移の拘束条件と適切な正則化条件の下で目的関数の最小化を行うことにより,プログラム動作を決定づける1千万以上のパラメータを最適化している。実際に激指,GPS将棋,Bonanza,YSSの多数決によって指し手を決定するコンピュータ将棋「あから2010」は,1)将棋対局サーバ,2)合議サーバ,3)TCP/IP(Trasmission Control Protocol/Internet Protocol)接続キープ及びプロトコル変換ユニット,4)ゲーム木分散探索用クラスターサーバからなり,2010年10月に女流王将に勝利したことを示した。