抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水域には,重金属,農薬,PCB,油,PAH,放射性核種などの汚染物質や,ゴミなどの漂流物が流れ込み,水生生物や人間に深刻な影響をもたらしてきた。汚染物質を検知したときに汚染源を特定する手法として,数値シミュレーションは有効な手法の一つである。その手法は,順方向計算の結果を用いる手法と,逆方向計算による手法に大別される。本研究では,水域の汚染物質の移流・拡散を対象としたリバースシミュレーションを行った。その結果,汚染物質の濃度場,あるいは濃度場フラックスにフィルタ操作を加えると,数値計算の安定性が確保されることを確認した。また,濃度フラックス場にフィルタ操作を加えた場合の方が,高周波領域の成分の誤差が抑えられ,汚染源と汚染強度をより高精度に予測できることも確認した。本研究の格子幅に対するフィルタ幅の比は,既存の研究の値よりも大きな値であった。また,汚染物質の分布形状が,順方向計算の結果に比べて,円上に広がる様子が見られたが,これはフィルタ操作に伴う数値拡散が,濃度勾配が大きい方により強くはたらくためと考えられる。