抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
地球型惑星における多様性の起源を理解することは,地球惑星科学の根底にある目標である。太陽系内には,地球にサイズや組成が似た金星があるが,水が欠乏している。今後,太陽系よりももっと多様性に富んだ系外惑星が発見されると期待されているので,それらの大気や表層環境の予測には惑星進化に対する一般的な枠組みが必要である。本論文では,標準的な形成モデルから予測される初期の熱い溶融状態から固化するまでの惑星進化過程において,地球型惑星は全く異なる2つのタイプに分けられることを示す。たとえ惑星形成直後において軌道以外のもの全てが同じだとしても,固化した惑星は違った性質を有する可能性がある。タイプI惑星は,中心星から特定の臨界距離よりも遠方で形成され,数百万年以内で固化する。もし形成中にこの惑星が水を獲得したならば,この水の大部分は保持されて原始海洋を形成する。一方,タイプII惑星は臨界距離の内側で形成され,このタイプは,より多くの水を初期に保有していても,マグマオーシャンがより長く維持され得る。仮に現在の地球が持つ水量に匹敵する量の水を持った惑星が形成されたならば,その期間はおそらく1億年程度になる。ゆっくりと固化する間に,流体力学的散逸によってタイプII惑星は乾燥してしまう。地球はタイプIに分類されるが,金星は,軌道が臨界距離付近のため,どちらのタイプかわからない。しかし,タイプII惑星に予想される表面とマントルの乾燥は金星の特徴と一致しているので,金星はタイプII惑星に該当するのかもしれない。また,将来の観測では,若い恒星の周りに,水の海で覆われた地球型惑星だけでなく,マグマオーシャンに覆われた惑星を検出するチャンスがあるかもしれない。Copyright Nature Publishing Group 2013