抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,琵琶湖南湖の抽水植物抽群落において,単独測位携帯型GPS装置を用いてオオバナミズキンバイの生育分布の定量的な測定を行った。本研究グループにより2008年から2010年に実施された琵琶湖全域の植生調査の結果と本調査によるオオバナミズキンバイの分布図を比較することで,近年におけるオオバナミズキンバイの侵入状況の把握と,それによる植生の変化を検討した。本研究から得られた知見を次に示した。1)琵琶湖南湖におけるオオバナミズキンバイの総出現面積は22435m
2であった。本研究グループが2008~2010年に行った琵琶湖全域調査では烏丸半島東において1916m
2の出現が確認されただけであった。以上のことから,オオバナミズキンバイは短期間で大規模に拡大していることが分かった。2)本調査地区の中で最も出現面積が大きかった地区の赤野井湾において,オオバナミズキンバイが侵入する以前の2008年と2012年の植生を比べると,在来植物は7種から18種に増えたが,2008年に確認された3種は2012年には確認されなかった。外来植物は3種から9種に増え,特に3種の特定外来生物が確認された。急速に拡大させたオオバナミズキンバイ群落が他の植生に及ぼす影響を検討するために継続的な植生調査を行う必要がある。3)琵琶湖南湖の抽水植物抽群落において地盤高測量を行った結果,南湖全域においてオオバナミズキンバイの生育地盤高の中心は-69.9cmであり,その80%の範囲は-88.7~-47.6cmであった。