抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日高川帯の最北部に位置し,時代的に最も古い湯川層は,緑色岩類を含まないことなどから,これまで前弧海盆堆積物とされてきた。しかしながら,その後の研究で東方延長部から緑色岩類とチャートの小岩体がみいだされ,地質構造もスラストと転倒褶曲を主とすることが明らかとなったことから,付加コンプレックスとして構造層序ユニットによるユニット区分を提案する。湯川付加コンプレックスは,弓手原スラストにより北側の梁瀬(Yu1)ユニットと南側の北股(Yu2)ユニットに区分され,前者はさらに4サブユニットに,後者は2サブユニットに分けられる。北に位置するサブユニットの方が粗粒砕屑岩に富み,褶曲構造が発達し,南のサブユニットはより泥質になり,スラストが発達する傾向が認められる。湯川コンプレックスから産出する放散虫化石は,Holocryptocanium barbui群集(アルビアン後期~セノマニアン)に属するが,構成種の違いから北の梁瀬ユニットのほうが南の北股ユニットよりも堆積年代が相対的に古いものと考えられる。これらの特徴は湯川層が付加体であることを示すものである。(著者抄録)