抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Wikipediaをis-a関係からなる大規模な汎用オントロジーへ再構成した。Wikipediaの記事にはカテゴリが付与され,そのカテゴリは他のカテゴリとリンクして階層構造を作っている。Wikipediaのカテゴリと記事をis-a関係のオントロジーとして利用するためには以下の課題がある。(1)Wikipediaの上位階層は抽象的なカテゴリで構成されており,これをそのまま利用してオントロジーを構成することは適切でない。(2)Wikipediaのカテゴリ間,及びカテゴリと記事間のリンクの意味関係は厳密に定義されていないため,is-a関係でないリンク関係が多く存在する。これに対して我々は(1)を解決するため,上位のカテゴリ階層を新しく定義し,Wikipediaの上位階層を削除して置き換えた。さらに(2)を解決するため,Wikipediaのカテゴリ間,及びカテゴリ記事間のnot-is-a関係のリンクを3つの手法により自動で判定し切り離すことで,Wikipediaのカテゴリと記事の階層をis-a関係のオントロジーとなるように整形した。本論文ではnot-is-a関係を判定するための3つの手法を適用した。これにより,“人”,“組織”,“施設”,“地名”,“地形”,“具体物”,“創作物”,“動植物”,“イベント”の9種類の意味属性を最上位カテゴリとした,1つに統一されたis-a関係のオントロジーを構築した。実験の結果,is-a関係の精度は,カテゴリ間で適合率95.3%,再現率96.6%,カテゴリ-記事間で適合率96.2%,再現率95.6%と高精度であった。提案手法により,全カテゴリの84.5%(約34,000件),全記事の88.6%(約422,000件)をオントロジー化できた。(著者抄録)