抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地震発生後,津波の規模によっては全交流電源喪失に至る場合がある。この場合でも「もんじゅ」は,冷却材ナトリウムの自然循環(以下,「ナトリウム自然循環」という。)によって,炉心冷却できる設計となっている。そこで,東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ,地震・津波後に全交流電源喪失した場合のナトリウム自然循環による炉心冷却能力について,「もんじゅ」自然循環予備試験結果等により解析の妥当性を確認したプラント動特性解析コード(Super-COPD)を用いて改めて詳しく調べた。その結果,ナトリウム自然循環による冷却によって炉心燃料及び原子炉冷却材バウンダリの健全性は確保され,プラントは3日後に低温停止(1次冷却材温度250°C以下)に至ることを評価した。また,ナトリウム自然循環の成立性について,可能性は低いが懸念されるものも含め様々な阻害要因を系統的に分析し,長期に渡ってナトリウム自然循環が成立することを確認した。以上より,地震・津波により全交流電源喪失したとしても,「もんじゅ」では冷却材の流路が確保されている限り,ナトリウム自然循環によって炉心冷却でき,原子炉の安全性が確保されることを評価した。なお,本報は,平成23年7月27日に実施された「東北地方太平洋沖地震を踏まえたシビアアクシデント対応等検討委員会(第2回)」の東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた津波来襲時の炉心冷却検討結果の概要を報告するものである。(著者抄録)