抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,近代の甲府城址における公園化の背景と経緯について報告した。先ず,研究にあたっては山梨県会と甲府市会の議事録,決議録等の当時の記録を基礎資料としたことを報告した。次に,明治中期までの城址を取り巻く状況,甲府駅の立地に伴う城址をめぐる議論,一府九県連合共進会の会場としての借用と公園化について報告した。更に,共進会後,払い下げまでの公園管理,払い下げによる県有地化,県庁舎の新築に伴う濠の埋め立てをめぐる議論について報告した。最後に,山梨県は城址を公園にしたが,十分な管理ができる予算を確保せず,松の立ち枯れや濠の汚濁などが再三指摘されたこと,中学校と県庁舎の新築に際してはその財源確保のため濠を売却したこと,公園としての緑地整備や,城址としての風致の維持や保存には積極的ではなかったこと,一方,甲府市は,城址の保存を主張したが,自らが管理することは躊躇したこと,公衆に利用される空地としての公園は,近代化の舞台としての価値があったことを報告した。