抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
2011年1月19日に噴火を開始した霧島火山群の新燃岳に対して,人工衛星搭載のDInSARのデータと現地のGPSデータから,噴火前の膨張,噴火に伴った収縮,および噴火後の膨張を含む噴火に伴う地殻変動を検出した。それぞれの期間における変動の中心はほとんど重複し,新燃岳火口から西北西約5kmに位置しており,同一の変動源が関与したものと考えられる。これらの地殻変動は地下マグマ溜まりの膨張・収縮に起因するものと仮定し,深度7.5kmでのマグマ溜りの各期間における体積増加・減少量を見積もった。マグマ溜りの体積は,噴火前に1.7×10
7m
3増加し,噴火に伴って1.5×10
7m
3減少し,噴火後に8.0×10
6m
3増加した。噴火に伴う体積の減少は噴火前の体積の増加と噴出量にほぼ匹敵する。噴火後は2011年12月以降は膨張レートが鈍化しているが,この時点でマグマ溜りは2011年の噴出量の約50%にまで回復しており,今後マグマの供給が再開され2011年規模の噴火に繋がる可能性は無視できない。そのため,今後も継続的な地殻変動モニタリングと地下マグマ溜りの体積増加レートの推定が必要である。