抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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食塩摂取量と血圧応答は正相関にあると一般に信じられている(食塩仮説)。しかし多数の研究レビューにおいて見解が一致しているとは言い難い。食塩と血圧の相関には多数のパラメーターが関与していることが次第に明らかになりつつある。「食塩仮説」に対して肯定的,否定的及び中立的見解の調査研究をまとめた結果,「食塩は昇圧のリスク因子であってもその原因ではない」とするのが妥当であることが分った。通念あるいはスローガン(運動目標)としての「食塩仮説」(食塩と血圧応答は正相関にある)は,公表されている多数の研究報告を見るかぎり,根拠に乏しいといえる。リスク因子としての食塩が昇圧を結果するためには,食塩感受性遺伝子,摂取栄養素,生理的・環境的条件など,多数のパラメーターが関与することが明らかにされてきている。これらのパラメーターを考慮に入れて食塩と血圧の関係について実証的な立場から再整理する必要がある。高血圧予防のためには,摂取栄養素が重視され,味噌汁は多様な具材の媒体として,野菜・いも・海藻などの合理的な摂取方法として評価されるべきであり,カリウムやマグネシウムなど降圧作用ミネラルの摂取媒体としても評価されるべきである。