抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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動圧グルーブ流体潤滑軸受(以下流体軸受)装置の寿命予測で重要な潤滑剤の寿命について,潤滑剤単体での熱加速試験と実機サンプル内で22,850時間(2年7カ月間)連続回転試験を行った潤滑剤の粘度,分子量,劣化生成物の量を分析し検討した。これにより得た主な知見を次に示した。1)潤滑剤単体の粘度増加率を予測するにはアレニウスプロットが有効であること,2)潤滑剤の粘度上昇率は,連続運転した実機サンプル内の方が潤滑剤単体熱加速試験に比べて小さいこと,3)潤滑剤の劣化による生成物は,潤滑剤単体熱加速試験でも実機内で連続回転させたものでもFT-IR,GPC分析の結果,同じ物質と考えられること,4)実機サンプルで粘度上昇率が小さい要因は,軸受部でマランゴニ効果が生じ,気液境界部に蒸発しにくい高粘度物質(高分子量)が集められ,低粘度物質の残留率が高まるためであること,5)DOSを基油とし酸化防止剤に3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエンを用いた場合,熱加速試験は125°C以下の温度で実施しなければならないこと,6)設計的課題による急激な潤滑剤流出がない構造の流体軸受装置であれば,その寿命は潤滑剤の劣化による特性変化により生じ,その寿命は潤滑剤単体の熱加速試験による寿命予測値より長寿命となることなど。