抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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わが国は長大な海岸線を有するため,波力は魅力的なエネルギー源の1つである。わが国で波力発電を行う場合,洋上に設置する大規模なシステムよりも,沿岸部の既存構造物に多くのミニ発電システムを設置し,地産地消のエネルギー供給から始めるのが適当と思われる。スリット式防波堤は,建設コストが安価で消波性能も良好であることから,近年普及が進んでいる。スリット式防波堤を利用したミニ波力発電システムのメリットとして,以下を挙げることができる;(1)洋上の障害物とならない。(2)構造物内部を利用するため,設置やメインテナンスが容易。(3)沿岸部なので送電コストが低い。(4)スリットで整流されたエネルギー密度の高い流れを利用できる。発電システムを設置する場合,空気の1000倍の密度を持つ水の力は大きく,装置の係留・固定方法が技術課題として重要となる。また,海中での腐食や機器のメインテナンスについても配慮する必要がある。日本全体で総延長1200kmに及ぶ防波堤の50%に本研究で提案するシステムを設置できれば,最大出力として500万kW程度が期待される。