抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,情報システムの障害やサービス品質の低下は企業経営に大きな影響を与えるようになった。一方,情報システムの大規模化や複雑化に伴い,障害箇所を特定する作業のコストが深刻な問題となっている。情報システムは,多くのIT機器で構成され,それぞれが依存し合って動作するため,あるIT機器で障害が発生したときには,障害イベントが連鎖的に発行されるため,一連の障害イベントの原因を特定する作業は運用管理者にとって手間のかかる作業となる。このような背景から,知識処理に基づいたアルゴリズムなどを使用して,複数の障害イベントの関連付け(コリレーション処理)を行い,障害原因を特定する障害原因解析(RCA)技術が注目され,多くの研究が行われている。本稿では,情報システムに対する障害原因解析のための解析ルールのデータ形式および解析方式について述べた。このシステムは,Releアルゴリズムをベースとしたものであり,障害原因解析手法の情報システムへの適用において,より少ない手間と短い時間でルールが構築できるルール記述方式とルール構築方法,そして,そのルールを効率的に精度よく実行するための解析ルールのデータ形式と解析実行方式を提案した。情報システムの規模が数百ノードを超える場合であっても解析ルールの構築をより少ない手間で,かつ実用的な時間内で行えるよう,メタレベルで記述した汎用解析ルールと対象システムのトポロジーによってルールメモリを自動構築する方式を採用している。また,障害イベントに生存期間を設けることで,常に一定期間内に報告された障害イベントを対象とした障害原因解析を行え,ルールを効率的に精度よく実行できることを示した。