文献

J-GLOBAL ID：201302297015964895   整理番号：13A0998644

ソフトマテリアルとしてのスピンクロスオーバー錯体

Spin-Crossover Complexes as Advanced Soft Materials

著者 (1件)： 速水真也 (熊本大 大学院自然科学研究科)
資料名： まぐね  (Magnetics Japan)
巻： 8  号： 3  ページ： 140-143  発行年： 2013年06月01日 
JST資料番号： L5842A  ISSN： 1880-7208  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 金属錯体を中心に持つ可撓性高分子は,ソフトマテリアルとしての機能が注目される。スピンクロスオーバー(SCO)錯体としてアルキル基が両側に伸びたコバルト(II)錯体[Co(C16-terpy)₂](BF₄)₂を用い,錯体が互いに相互作用し,低温側で高スピン状態,高温側では低スピン状態を示す,いわゆる逆スピン転移現象を観測した。この転移現象は,アルキル長鎖の構造が相転移した結果,その中心にあるコバルトイオンのスピン状態が変化したと考えられる。なお,このようにアルキル鎖を有する金属錯体は,ある温度以上で液晶相を示す可能性がある。アルキル長鎖を導入したスピンクロスオーバー鉄錯体[Fe(3C16-bzimpy)₂](BF₄)₂を合成し,実際にこの物質の液晶相転移を観測し,それと同時のスピン転移(S=0⇔S=2)を観測した。またこの液晶相は,新しい型の強誘電体相であり,誘電性相転移が同時に生じていることもわかった。

シソーラス用語： 柔軟性 ,  アルキルラジカル ,  アルキル基 ,  コバルト錯体 ,  *クロスオーバー効果 ,  *電子スピン ,  高スピン状態 ,  液晶 ,  強誘電性液晶 ,  軟質材料 ,  *錯体 ,  *相転移 ,  *量子遷移 ,  鉄錯体 ,  強誘電体 ,  *スピンクロスオーバー錯体 ,  低スピン状態 ,  エネルギー準位 ,  励起状態
準シソーラス用語： *スピン転移 ,  ソフトマテリアル

分類 (3件)： 磁性材料  (NA04040H) ,  分子の電気的・磁気的性質  (BH05032U) ,  相転移・臨界現象一般  (BL04010V)

引用文献 (15件)：

• MIZUTANI, Y. J. Phys. Chem. B. 2001, 105, 10992
• GALYAMETDINOV, Y. Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 4269
• HAYAMI, S. Adv. Mater. 2004, 16, 869
• FUJIGAYA, T. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 5484
• KUROIWA, K. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 2016

タイトルに関連する用語 (2件)： ソフトマテリアル ,  スピンクロスオーバー錯体