抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ニホンジカは,駆除と保護が共に求められる動物として「自然と人間の共生」の困難さを象徴する存在と言える。DNAを用いた系統分析によって,シカの進化の過程が明らかになってきた。分類学上,シカは偶蹄類グループに属する。シカ科は5族に分かれ,ニホンジカやアカシカが属するシカ族のそれぞれで,枝角の形や体サイズなど形態的にも多様化が進んでいた。山形県に進出しつつあるシカの出所を明らかにする目的で,4個体から組織を採取してmtDNAの遺伝子を調べた。その結果,山形県のニホンジカが少なくとも複数の地域から進出してきていた。分類学は,森林技術とは一見,無関係のように見えるが,野生生物の生息調査では,対象生物の種同定や個体の移動・分散の推定などで分類・系統解析の技術が利用されていた。自治体の試験研究機関や環境関連分野の企業自らDNAシーケンサーを備えて,生態調査等でDNA情報を利用する例も見られた。