抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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黒ダイズ‘丹波黒’を用いて,高温での浸漬処理が吸水特性,煮豆の破断特性,官能評価,成分に及ぼす影響について調査し,効率的な煮豆調製法について検討した。浸漬条件は,20°Cでは1,2,5,10,15,20時間,高温(30°Cから80°Cまでの6温度区)では2時間保持した。2時間の浸漬では,浸漬温度が高くなるにつれて重量増加比は高く,煮豆の破断荷重は低くなり,60°C以上の浸漬温度で平衡状態に達した。溶出固形物量は,70°C以上では顕著に増加した。裂皮率は,標準浸漬条件(20°C,10時間)に比べて,60°C以上の浸漬温度で低く抑えられた。高温での2時間の浸漬条件において,標準浸漬条件と同等の官能評価値及びスクロース,遊離アミノ酸含量が得られる至適浸漬温度は60°Cであった。以上のことから,高温での短時間(2時間)の浸漬処理法として,60°C浸漬が利用できると考えられる。この浸漬方法は,浸漬時間の大幅な短縮及び裂皮率の減少が図れることから,煮豆の調理・加工の面においても有用性があると考えられる。(著者抄録)