抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本のベンチャーキャピタル(VC)は,新興市場の誕生を受けて投資行動が変ってきた。投資対象をシード,アーリーステージの企業としての体をなしていない段階のベンチャー企業へと拡大し,レイター段階中心の投資から舵を切替えた。しかし,ベンチャービジネスの環境変化やベンチャー投資の現実に,起業家教育は十分に対応できているのか。起業段階におけるベンチャーファイナンスの状況を明らかにし,ベンチャー起業家教育におけるファイナンス教育の重要性について考察した。その結果,1)ベンチャービジネスに対する共通の理解が必要である:ベンチャー型起業(初期段階でVCからの投資を受け,人材を雇用して急成長を目指す)/中小企業型起業/自営業型起業,2)ベンチャー起業家教育においてはベンチャーファイナンスの理解が重要である,3)ベンチャー型起業は,起業家個人にとって必ずしもハイリスクではない,4)起業を志す人々の裾野を広げるだけでなく,成長志向のベンチャー型起業に特化した教育・支援にも力を入れる必要がある,との結論に至った。