抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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内海,港湾,狭い水路,河川などの輻輳した水域で,安全かつ効率的に船を操船するには航海士が単に海図情報を理解し,如何に操船するかを熟知していても十分ではない。この際,各種の船舶を操船し,航海水域の地形,潮の状態,特徴をわかっている水先人が必要である。本論文では,水先人が指揮している間に発生した水先人事故を調査した。この研究の結果からは,水先人事故の主な原因は,ほぼ「ヒューマンエラー」であることが立証された。中でも,慣れによる過信や誤解あるいは不十分な情報交換による情報の欠如により事故が発生している。当然,水先人は特定の操船水域に精通しているが,経験に起因する過信が誤解又は集中力の欠如を招く可能性がある。過信や誤解は,「ナビゲーションの非遵守」と「動きへの不完全な監視」を引き起こす可能性がある。もし,航海当直員によって得られた情報が十分に水先人に伝達されない場合は,熟練した水先人でも安全に操船する事は不可能である。本研究から水先人と乗組員の不十分な情報交換は言葉の違いではなく,考え方の違いである事が認められた。