抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文は,富山県造園業のCSR活動の現状からみた経済的価値と社会的価値の一体的実現の可能性について報告した。先ず,我が国で1970年代から存在したとされるCSR(企業の社会的責任)は,2000年代前半から改めて議論が本格化し,2000年代後半には定着したことを報告した。次に,研究の方法に関し,アンケート調査を実施したこと,調査対象企業は,富山県内の造園,土木,建設業関係の協会に属する全造園業者で,2012年12月に実施し,有効回答数100票,有効回収率42.7%であったことを報告した。更に,結果及び考察に関し,発展段階グループの抽出,企業特性と発展段階グループ,CSR活動の目的・効果と発展段階グループ,CSR活動の実施方法への考え方と発展段階グループ,CSR活動の個別事例,CSR活動を継続的に実施していくための課題,造園企業の社会との新たな関係構築への課題について報告した。最後に,造園産業の発展とCSR活動の因果関係を解明していくためには,市場や技術などさらに業界固有の業務特性についてより詳細な調査の実施が必要であること,造園企業における企業力診断とCSR活動の実施内容・効果との関係をさらに検証し,「共通価値」を実践するCSR活動の普及啓発・推進に資する,実証的なデータに基づいた理論的基盤を整備すべきこと,今後は,「全国」を対象とし,造園産業全体に適応しうる調査検証を行う必要性を報告した。